「流石にここまでの悪評のある奴なんかと関わりたくないんでねぇ、ここでくたばる?てかくたばれ。」
「何で?!」
「ウザイ・うるさい・気持ち悪い」
「悪口じゃねぇか!」
「それが何か?嫌いなんだから当たり前でしょ?」

何でこんなとこにいるんだろ?
確か屋上で寝ていたはずなのに…
何で高校の制服なんか着てるんだろ?
かなたち引っ越したはずなのにいるし…
なぜか鈴木には呼び捨てされてるし、意味わかんねぇ…

「瑠璃、何もしらねぇのか?」
「何がだよ、てかくたばれ、迅速に。」
「酷い!!」
「うるせぇ。」
「るーちゃん、ここね?るーちゃんの通ってる学校よ。」
「俺が高校にいるって?可笑しいじゃん、オール1の成績だぜ?」
「俺がやったんだよ、お前の勉強見たんだ。」
「何でお前が…」
「やるって言ったんだよ、俺はそれに答えただけ。」

俺が鈴木に頼んだって?
何だそりゃ、つーか何だよあの人だかり…
見せモンじゃねぇっての…

「見せモンじゃねぇんだよ、さっさと失せやがれ!」

ガンッと近くにあった机を蹴り飛ばした。
その様子を見て野次馬どもは消えた。

「やっぱ、中学ん時の瑠璃か…」
「だったらなんだっての、この女ったらし。」
「違うっての!」

高校ってことは俺の意識だけが、時代を超えたって事か?
何でそんなことに…

「俺戻れんのか?」
「多分ね。」
「てかなんでカイは土下座してんだ?」
「瑠璃がしろって言ったじゃねぇかよぉ~!!」
「そうだっけ?」
「んなぁ!」
「泣き叫んで足搔いてろこの海男。」

「瑠璃!」
「だから何度言えば…」
「俺、お前の事あきらめねぇからな?」
「は?」
「俺はいつかお前と会うから、その時まで待ってろ。それより前に別の男となんて付き合うんじゃねぇぞ。」
「お前頭可笑しくなったか?」
「それでもいいっての、でもこれだけは言っとくからな。俺はお前が好きだ。」
「はぁ?!」
「嘘じゃねぇから、それは信じててくれ。」
そういう鈴木の目は真剣だった。
不覚にも俺はその目に吸い込まれそうになった。それで確信した、嘘ついてないって…
こいつなんか好きになりたかねぇ!
「誰が信じるかよ!」
「んじゃ、これはどうだ?」
グイッと引き寄せられて、俺は鈴木にキスされた。
「何しやがる!!」
そう言って俺は鈴木をまた投げた。
寝てりゃ戻れるかな?
そう思い机に寄りかかって目を瞑った。
+*+*+*+*+*+*
「瑠璃?大丈夫?」
「お母さん?何でここに…」
「あんたが倒れたって聞いて迎えに来たのよ。」
「そう…何か夢見てた様な気が済んだけど。何だっけ?」
「いつか思い出すわ、帰りましょ?」
「うん。」

何でかわから無いけど、未来の夢を見てた気がする。
なんだったんだろ?
+*+*+*+*+*+*+*

「んっ…あれ?」
ここは教室?
何でここに?
「瑠璃?」
「大悟?」
「お前大丈夫か?」
「何が?って…病院行かなきゃ!!」
「お前の母さん、数日中には目を覚ますってよ。命に別状は無いってよ。」
「良かった…って、冷?!」
「今更かよ、お前記憶は?」

さっきから二人して何言うのよ…
私が何したって言うの?

「記憶って何?バカにしてんの?」
「るーちゃん、良かった。戻ったのね?」
「かな…何かあったの?」
「さっきまで記憶が中学に戻ってたのよ。」
「まさかぁ~、そんなことなんて起きないよ。」

記憶喪失なんて自分がなってもわかんないって言うけどね…
もしかして本当になってたのかも…
隅で泣いてる人いるし…

「てか、仲直りでもしたのか?」
「え?」
「手、繋いでるし?普通に話してるし。」
「あ…」

そう言えば、喧嘩してたような…

「気にしてないわ、それにね?最終的に喧嘩になる元凶作ったのはカイだものねぇ?」
「かな?笑顔が怖いよ?」
「ふふふ…さてさて、どんな風にいたぶられたいかしら?」
「助けてぇ~!」
「嫌。本当の事だもん。」
「瑠璃!!助けてくれ!!」
「ん~、かなの言ってる事は本当だからなぁ。かな!とりあえず動けないようにしてから、じっくり拷問しない?その方がきっと面白いよ。」

「いやだぁぁぁぁ~~~~~!!!」

教室内に響くカイの悲鳴に、かなと二人で笑いあっていた。