大悟のいつにもなく真剣な顔を見たら、断るわけにもいかなかった。

瑠璃のメールの確認をする…確認なんて可笑しいか。
瑠璃の彼氏でもないんだからな…
あ、自分で言ってなんだけど何だか傷つくな…

『冷にさっき会ったんだ、かなとお似合いだった…皆に合わないっていわれてて当然だったかも…』
『健に絶交だって言われちゃった…冷ならいつも慰めてくれるのに、側にいないんだって余計に自覚するようになっちゃったよ…』
『もう冷に完全嫌われちゃった、目も合わせてくれないよ…』
『冷と別れてから余計にいじめが激しくなっちゃった。何でかな?』
読んで行けば読んでいくほど瑠璃の苦しみが伝わってくる…
そんなに溜め込んでいたのに俺は瑠璃を無視していて…大悟に言われるまで俺はいじめ自体も知らなかった。いじめを知ってから瑠璃をまた見ると、完全に痩せこけていた…
そんなになるまで俺は知らなかった。
あんなに大切にしていたのに、何であんなに俺は瑠璃を嫌っていたのか…今になってもわからない。怒りに任せて俺は瑠璃を傷つけてきていたのかも知れない…
そう考えると俺の行動は、追い討ちをかけたも同然だ。
大吾に携帯を返して、俺は鞄を取った。
「冷?どうしたの?」
「今から瑠璃の家に行ってくる。」
「先に行くのか?」
「あぁ、追い討ちかけたのは俺だ。責任は取れる限りとるつもりだ。じゃ、俺行くから!」
健たちにそう告げて、俺は教室から飛び出て瑠璃の家に向かった。

「俺を助けてくれよぉぉぉ!!」
そう言うカイの叫び声が聞こえたけれど、俺は気にもかけないで走っていった。