いったいどの位の時間が過ぎたんだろう?
それすらも分からない…自分が今何をしているのかも分からない。
今の私は何をしているの?
それ以前に、今何日なの?今は何時?
いつから私は学校に行ってないの?どの位の時間をここで過ごしていたのかな?
「瑠璃?ご飯くらい食べないと倒れちゃうわ。これくらい食べて?」
お母さんは私の右手にスプーンを握らせておかゆを食べさせようとする。
それでも私は、自分で食べようとしなかった。
お母さんは自分で食べないから自分の手に持ち直して私に食べさせた。

「じゃ、ちゃんと布団にはいって寝てるのよ?」
「……」
コクッと頷いて、布団に包まった。
お母さんは部屋から出ていった。
随分と長く布団に入ってるけど、眠くなるのは変わらなかった。

朝が来ても、私には関係なかった…って思ってた。
いつもの朝と少し違ったのは、かなが来たから。
「おはよう、るーちゃん♪」
「おはよ…そしておやすみなさい。」
「学校に行くわよ?さっさとおきなさい?」
ニッコリと笑うかなの後ろにはなんだか黒いオーラが見えたような感じがした。
それに耐え切れなくてつい私は…
「行くのです…;」
そう答えてしまった;
着替えて下に行くと、お母さんは少し驚いていた。
でもなんだか嬉しそうな顔していた。
「はい、これ瑠璃のお弁当よ?気をつけてね?」
「うん、行ってきます…」
重い足取りで玄関を出ると、かなが待っていた。
「逃げずに来たのね。さっ、行きましょっか♪」
私の手を引いてかなは歩き出した。
途中でカイ達に会った…
「おっはよー!!」
「おはよ、か…な…」
カイは私の顔を見て、すぐにそらした。
なみと健は何でこいつがって顔してた。
「かな、帰る。今すぐ帰りたい。てか帰らせて。」
「却下します。ちゃんと出席しなさい。」
「うぅ…かな意地悪…」
「意地悪で結構よ。さ、行くわよ?」
「やだぁ~…」
「さっさと歩きなさい。」
「はい…」
うぅ…今すぐにでも帰りたい。
カイ達の視線に耐え切れない。
「かな…なんでそいつと…」
「別に良いじゃない♪仲良しなんだから♪」
ぎゅっとかなに抱きしめられて、体制を崩した。
後ろから抱きつかれたので、前に転びかけた。その瞬間に、冷に支えられた。
「触んないで!!」
それを反射的に私は冷の手を振り払った。
冷は、片手を押さえていた…
「助けてもらっといてそれはないんじゃないの?」
なみの冷たい声がココロに突き刺さる…
「助けてなんて頼んでない…」
「あんたねぇ!!いったい何様なの?!」
「なみ?!」
「いつもいつもしつこいのよ!一年の頃から思ってた!何でもかんでもくっついて来てうざいのよ!!」
「なみ!落ち着けよ!!」
「健は黙ってて!あんたのお陰で他の子とも話すことも出来ない。いい加減にしてよ!」
今まで溜め込んでいた気持ちを爆発させたのか、なみは私に本気で怒った…
そっか…なみに嫌われてたんだ…
少しずつ私の何かが音を立てて壊れていく音が聞こえた…
「あんたなんか友達と思ったことは無いわよ!!」
「なみ!!待てよ!」
なみは走って先に行った。後ろから健が叫んでも立ち止まることは無かった。
「るーちゃん、大丈夫?」
心配そうに覗き込むかなの言葉は聞こえなかった…
「お前!!なみに謝れよ!!」
「健!お前も落ち着けよ!」
私の胸倉をつかむ健を抑えようとしてるカイ…
「本当にいい加減しろよ!いったい何人の人を傷つければ気が済むんだよ!!ふざけじゃねぇよ!!」
そう叫んだ健は思いっきり突き飛ばして、なみを追いかけた。
私は突き飛ばされた拍子に、後ろにあった塀に頭を強く打った。
頭痛い…打った所をさすったらヌルッとした感触がした。手のひらを見たら、赤い液体がついてる。
血…出てきちゃったな…
「るーちゃん!病院にいこうよ!!」
「いらない…」
「でも…」
「しつこいなぁ!!もうほっといてよ!」
「おい、かなが心配してんのにそれは無いだろ?」
「うるさい、誰も心配してとか頼んでないし余計なことなんだけど。」
「ほんとにお前むかつく行くぞかな…」
「ちょっ!待ってよ冷、私はるーち…」
「そんな奴なんかと仲良くする必要は無い。行くぞ…」
かなの言葉に耳を傾けないでかなを連れて学校へ行った。
ここに残ったのはカイと私だけ…
でも私はカイの存在を否定した…
「瑠璃…あのさ…」
「もう嫌…何なの?」
「瑠璃…」
「もうヤダ・生きてる事自体がヤダ・生きてる意味あるの?・嫌われてるのなら別に生きてなくても良いんじゃないの?・何なのさ・結局私は必要なかったってだけじゃん・もうヤダ・消えたい…だから外に出たくなかったのに…」
「ちょっ!!瑠璃!?」
カイが何度も呼び止めたけど、私の中のカイは存在自体が無かったことにしていたから聞かなかった…
私は家に帰らないで、電車に乗って適当に乗り過ごしていた…
乗っていた電車の終電は海に近かった。
海の近場の独特な香り…
潮の香りが鼻につんと来た…
海岸に行って靴を脱いで海に入っていった。
「冷たいな…このまま、どこかに流されていきたい気分になってくる。お父さん…どうしたらいいの?どうして、一緒に連れて行ってくれなかったの?お母さん、ごめんね疲れちゃったよ…」
制服のまま私は海に入っていった…腰あの辺りまで入っていったら、なんか冷たいとゆうか何も感じ無かった。
誰も必要としてくれないのなら、どうでもよくなってきた…
元から嫌われてたのに何も気づかなかったなんて、オメデタイ頭してたんだね…
気づいたときには肩までの深さまで入っていた。
そのとき、誰かに腕をつかまれた。
後ろを向くと背の高い男がいた。
髪は茶髪で、結構カッコいい顔立ちをしていた。
「おまえ、何してんの?こんなとこまで制服ではいってさ…」
「手、離してくれない?」
「無理、自殺でもする気なんだろうけど。」
そういって私を岸辺まで連れ出して、海から無理やり出された…
何なのこの人…
「とりあえずこれ羽織ってろ。」
そういって渡されたのはこの人が着ていたワイシャツ…
「何で…」
「そのまま出歩く気か?」
指を指されたほうを見たら、服が透けていた。
水に浸かってたんだから当たり前か…
「…借りときます…」
「ん、で?この辺で見かけない奴だけど何してたの?」
「…そんなこと聞く前に自己紹介するのが常識でしょ?」
「はいはい、俺空。お前は?」
「瑠璃…」
「へぇ、いい名前じゃん。」
「…ほっといてくれればよかったのになんできたの?」
「さぁ?何となくかな?」
「ふーん…」
スッとたって、私は息を大きく吸った。
「どうしたんだ?」
「何でもないよ…」

君の視線はもう私には向かないの?
その瞳にはもう私は映らない…
いつも一緒にいてくれたのに、今は一緒じゃない…
いつから君との歯車は狂い始めたのかな?
自分の歯車はいつから狂ったのかな?
いつの間にか狂ってたの…もう戻れないかな…
狂い始めた歯車は戻すことは難しいの…
戻す事も出来ないよ…
もういいやって思えてきた…
誰も心配してくれない、必要としてくれなかった…
どうしたらいいの?

「お前、何かあったのか?」
「ん、まぁね…ちょっとしたことで自分の場所がなくなったの。」
「…そうか、ちょっとついて来いよ。」
「?」
ついて来いといわれてついていく…
しばらく歩いて、ついたのは学校…
他校生何だけどとか思っていても、着いて行くしかなかった。
教室に着いたみたいで、中にはいった空。