こゆきのはなったその一言で騒がしかった教室は、また一段と騒がしくなっていく。

慎を連れながら、まだ授業中の校舎の中をどんどんと歩いていくこゆき

「ゆきちゃん?どうしたの?」

後ろを歩きながら、未だに何がおきたか分かっていない慎は、何も喋らないこゆきに疑問をいだく。

「あの…」

「ここ、座って」

こゆきが慎を連れてきたのは外部からは見えない、校舎に囲まれた中庭だった。

言われるがままにベンチに座った慎

こゆきもまたベンチに座った。



「あの…さ…」

重い沈黙を、破るかのように、空を仰ぎながらこゆきが呟く。

慎は、こゆきの表情をみては、いつもとは違うその雰囲気に緊張を感じていた。


「気持ち悪いかも、しれないけれど…

私…----------なの…。

私ね、まこちゃん…ううん。慎の事が好きなの。

誰にも、渡したくないの。」

淡い栗色の髪を風になびかせながら、こゆきは正直に言った。

「…え…?」

こゆきの、突然の告白…。

慎はまた、困惑していた。




それはとても突然で…

でも、実際にあったことで…


それは、秋ながらもよく晴れた


暖かい日のことだった…。