「……」
「そこにひとりの馬鹿が現れた。そいつはゴンザレスに掴みかかり、俺を助けてくれた。ゴンザレスがそいつを殴ったが、そいつが大暴れしたため、他の教師も加わり大問題になった。俺は驚いた。暴れるそいつは評判の優等生だったんだ」
「……僕か」
「そう祐希、お前だ。不当な暴力を糾弾する、と言い。堂々と教師たちの前で喚いていた」
「その僕は小学生らしくないな」
「ははは、そうだな。金はゴンザレスの机の引き出しから出てきた。後日、教頭とゴンザレスが俺に謝罪したよ」
「それはよかった」
「俺はお前を尊敬した。お前は俺のヒーローになった」


