こわばな



鏡の中の少女も僕に何かを話そうとしているように見える。


僕の心臓は烈しく鼓動した。


焦る気持ちが空回りをしている。


お互いに何も出来ずに数秒が過ぎた。



「あっ……」

少女の姿が唐突に消えてしまった。



夢中で見ていたテレビ番組をリモコンで誰かが急に、かえてしまったようにである。