「ええっ!?さや、ほんまにりょーちゃん 知らんの!?」 可愛いくりっくりの目を見開いて、私の机 に乗り出してきたのは小川(おがわ)夏 海(なつみ)。 あーあ、なっちゃん声大きいって、聞こえ たらどうするんー…… 「うん。」 でも、ま、言っちゃったもんは仕方ない。 私はちょっとムッとしたのを飲み込ん で、なっちゃんを落ち着かようと、努めて 冷静に返す。