「おーー!遊園地だぁー♪」
「さゆみー、あんまりはしゃぐなよー。」
「無理っ!」
「はっ!?」
「だってこーんなに楽しいとこ来て、はしゃぐなって言われても無理だもーん♪」
「…はぁ。」
「新、諦めろ。さゆみに何言っても無駄だ。」
「………」
「何だよ?」
何こいつ、俺のこと睨んでんだ?
「…さゆみー!」
「なにー?」
「ん。」
「?」
「手。」
「手?…あっ!」
・・・あれ、これってもしかして。
「そうだね、一人にならないように、だよねっ♪」
新が差し出した左手をさゆみは右手でギュッと繋いだ。
「…バーカ、さっさと繋いどけ。離れたら探すのめんどくさいからよ。」
「えっ!?めんどくさいってひどいよっ!それに私もう子供じゃないんだから、迷子とかにならないもんっ!」
「………」
「な、何?」
「…誰が迷子になるって言った?」
「っ!!」
「ハハハ(笑)バーカ。」
「なっ!?バカとか言わないでよっ!」
新を見ると幸せそうに笑っていた…そういうことか。
「バカって言ったほうがバカなんだよっ!新の大バカ!!」
「な、何バカの前に"大"付けんだよ!つーか、俺はバカじゃねー!」
「じゃあ、アホだねっ!」
「じゃあってなんだよっ!アホでもねーし。」
「ハゲっ!!」
「ハゲでもねぇぇーーっ!!」
あー、いつもの痴話喧嘩が始まったよ。・・・でも、新があんな風に心の底から楽しそうに見えるのは、やっぱり「さゆみ」だからなんだよな・・・。