「「スースースー…」」
「スースー…んっ、んーーふぁ~~あ……」
あれ、俺いつ寝たんだっけ・・・?
「スースースー…」
あー、そういえば・・・抑えきれなくなって、無我夢中でして、考え事して、それからいつの間にか寝ちまったのか。
「………」
「スースースー…」
「…幸せそうに寝やがって。」
クシャ。俺はさゆみの頭を撫でた。
・・・かわいい。
「スースー…んっ…?龍牙?」
「おはよう、さゆみ。」
「おはよう。……何で頭、撫でてるの?」
「ん?んー…なんとなく、かな。」
「なんと、なく?」
「そっ。なんとなく。」
「…そっか、なんとなくかー。でも、気持ちいい。もっと撫でてー。」
かわいい。
「はいはい、喜んで撫でさせてもらいます(笑)」
「…うふふ(笑)何か今日の龍牙、面白いね。」
「そうか?」
「うん♪面白い(笑)」
「まっ、別にいいけどさ。」
「うん♪」

「さて、そろそろ起きるか。」
「えっ?何で?」
「何でって…今日も学校だろ?」
「違うよ?」
「…えっ?」
「えっ?」
「…違う?」
「うん、違う。」
「何で?」
「だって今日、妖月学園高校の創立記念日だもん。」
「「………」」
「…マジ?」
「マジ。」
・・・ということは、
「ということは?」
「えっ、何で俺の考えてること分かったの?」
「何か聞こえた。」
「あ、そうなんだ。…あれ、何言うおうとしてたっけ?」
「ということはの続きじゃない?」
「あーそうだったそうだった。…本当の本当?」
「本当の本当。」
「じゃあ…今日1日さゆみを独占できるってことになる?」
「っ!!~っ~~」
あっ、照れた。ちょっとからかってやろうかな♪
「なぁ、さゆみ?」
「……よ。」
「えっ?何て?ごめん、よく聞こえない。」
「……るよ」
「ごめん、さゆみ。もっと大きな声で言ってくれないか?最近、耳が遠くてさ(笑)」
「~っ~」
照れてる照れてる、かーわいい♪
「だ、から…」
「えっ…?」
「…っだからっ!!独占っ!!できるよって!!言ったのっ!!!」
「………」
「な、何よ…」
「いや、さゆみが怒ってるとこ久々に見たなーと思って。」
「別に怒ってなんかないもん。」
「…ふーん。」
・・・・・。
「な、何?」
「え、いや別に?」
「…嘘だ。」
「えっ…?」
「龍牙、さっき何か思ったでしょ?」
「気のせいだよ。」
「 嘘だっ!私には分かるもん、隠しても無駄だよっ!」
「え、ちょっさゆみ…」
いきなりさゆみが、俺が逃げないように背中に抱きついてきた。
「さぁ、観念して真実を明かすのだ!」
「なんか、聞いたことあるような台詞だぞ。」
「うるさいやいっ!」
たぶん、これがさゆみの最大限の力なのだろう。俺を逃がすまいと必死に力を込めている。
全然力ないんだけど。でも・・・kawaiiiiiiiiiーー\(*゜▽゜*)/ーーー!!!!
「~~っ~」
ヤバい!!にやけるっ!!
「りゅ、龍牙…」
「…えっ!?な、なんだ!?」
「は、早く言って…」
「え…って!さゆみ何で顔真っ赤なんだよっ!?」
「だ、だって…あまりこういうこと馴れてないから、はっ恥ずかしくて…っ~~」
プチッ。あ、やべ。
「~~っ~!!」
「りゅ、龍牙?」
「…あ゛ぁぁぁぁーーーーーさゆみ゛ぃぃぃーーーー!!!!」
「きゃーーーーーー!!」
俺は壊れたようにさゆみを押し倒した。
「え、ちょっと龍牙っ!?どうしたの!?」
「あーもう…」
「??」
「お前、可愛すぎ!」
「っ!?」
ぎゅーーー!!俺はさゆみに思いっきり抱きついた。
もう何?この可愛い生き物!!
「りゅうきー?」
「さーゆーみっ♪」
「な、なに?」
「…今日はずーっと2人っきりでいような。」
「う、うん!…………で?

「で?」
さっきまで照れたり嬉しそうな顔をしてたのに、急に真顔で「で?」とか言われてしまった。でって何が、で?
「えーっと、さゆみさん。で、とはどういうことでしょう?」
「とぼけたって無駄なんだからね 。」
「え、何を?」
「まだ聞いてない…」
・・・・・・あ。あれか。
「もう良くない?」
「良くない。」
「はぁ。そんなに知りたい?」
「うんっ!」
「「………」」
「どうしよっかなー♪」
「っ!?」
「プハハハハハっ(笑)!!」
「えっ!何でいきなり爆笑してるのっ!?」
「ハハハ…ヒーヒー、クククククッ……」
「お腹を抱えてまで笑わないでよ!ねーってば!」
「だ、だってよーお前、そんなおもしれぇ顔されたら誰だって笑うだろ(笑)」
「なっ!?ヒドイっ!!誰もそんな面白い顔してないもん!」
「してたって、クククッ…あーおもしろ(笑)」
「うーー…龍牙笑いすぎだよー!!」
「ハハハハハッ(笑)!!」
「だから笑わないでってば!!」
「ハハハハハ……ッ(笑)!!」
「だーかーらー!いい加減にし「うるせーーーーーっ!!!!」
「「っ!!??」」
な、なんだ!?・・・・・あっ。
「えっ!何!?…って、新っ!!」
さゆみも気付いたみたいだな。ていうか窓から来たか・・・それにしても、
「めちゃめちゃ不機嫌じゃねーか、新。」
「当たり前だっ!!人が気持ちよく寝てるっていうのに、隣でキャーキャーキャーキャーとイチャつきやがって!!」
「べ、別にイチャついてたわけじゃないもんっ!!」
「まず、お前は人じゃなくて吸血鬼だけどな。」
「お前らなーっ!!」
新、マジで機嫌悪くないか?
「おい、新「あ、そうだっ!新。」
「…なんだよ」
あ、ちょっと機嫌良くなった。
「新も一緒に行こうよ!」
「はっ?行くって何処に?」
「遊園地っ!!」
「「はい?」」
新と見事に被った。さゆみはいったい何を言ってるんだ?
「おい、さゆみ。」
「ん?何、龍牙?」
「いつ遊園地に行くことになったんだ?」
「今決めたっ!」
「へ、へぇーそうなんだ。えーっと、さゆみ…今日は俺と一緒にいるんじゃなかったのか?」
「いるよ?」
「じゃあ、何で新と遊園地なんかに…っ…?」
あ、やばい。泣きそう。
「?龍牙。」
「…何?」
「2人でじゃなくて、3人と行くんだよっ!!」
「遊園地に?」
「うん!当たり前!」
なんだ、そういうことか。
「…まぁ、俺はさゆみがいれば問題ないんだけど…」
新がどうするかだな。
「ねぇ新、一緒に遊園地に行こ「…断る」……えっ?」
あ、やっぱり。
「行くなら2人で行け。俺は疲れてるんだよ。」
「そ、そんなー…」
「…んな顔したって無駄だからな。行かないと言ったら行かない。」
「うーーー……」
「う゛っ…。」
あー、これはたぶん・・・、
「あらたぁ~~~…」
さゆみが勝つな。
「~~っ~……あ゛もうーっ!!」
「っ!?」
「分かったよ!行けばいいんだろう、行けばっ!」
「っ!!やったーー!!新ありがとう!!」
「っ!?」
さゆみ、嬉しすぎて新に勢いよく抱きついた。
ちくしょー、羨ましいな。・・・それにしてもさゆみ、すごく嬉しそう。対して新は・・・災鬼新、敗れたし、だな。
「…おい、新。」
俺はさゆみに聞こえないぐらいの声で新に言った。
「…なんだよ。」
こいつ、顔真っ赤だな。
「…惚れた弱味だな(笑)」
「……うるせー。」
「…よし。じゃあ、お互い準備が出来次第出発だーー!!おー♪」
「何自分で言ってんだ?」
「いいじゃん、細かいことは気にしない気にしない♪」
「はいはい、そうですかー。」
「新、早く準備してきてね!」
「…分かったよ、じゃまた後でな。」
「うん、またねー♪」
・・・ていうか、窓から窓への移動っていろいろと大丈夫なのか?
「………あっ!!」
「ん?どうしたさゆみ。」
「龍牙、早く教えて!」
「はっ?…あー、まだ諦めてなかったのかよ。」
「当たり前っ!早く教えてよー!」
「えーー。」
「ねーお願い、教えて教えて~」
駄々っ子か。
「はぁ、しょうがねーな。」
「やった♪」
「じゃあ、耳貸して?」
「うん!」
俺はさゆみの耳元で優しく囁いた。
「…怒ってるさゆみも可愛いなーって思ったんだよ(笑)」
「っ!?」
お、予想通りの反応。
「…やっぱり聞かないほうが良かったかも。」
「ハハッ(笑)」
やっぱり、
「あーもうこの話はお終い!ほら!早く準備するよっ!」
「はいはい♪」
さゆみは可愛いな♪