私が愛したのは最低な人間でした


そっか。


確か、彼女はいないとか言ってたよね?





イケメンなのに彼女がいないなんて。





……不思議。





「でもさ、今はフリーでも彼氏はいたことあんじゃないの?」





学校から徒歩六分ほど離れた駅に着き、私達は改札を抜ける。





『まぁ…中学生の時にね』



「…やっぱそうかぁー。あっ、凜どっち方面?」



『ん?あ、こっち』



「おっ、やったね。同じじゃん」



『えっ、そうなの?』



「YES」





エスカレーターに乗って、ホームに行く。



時刻表を見たら、まだ電車が来るまで時間があった。





「中学で彼氏とか早くない?」



『そうかな?私の学校には割といたよ?』



「へぇー。凄いな」





琉希くんは感心したように相槌を打つ。





「…処女は卒業してるわけね」



『ふぇっ!?』





ポツリと呟かれた琉希くんの一言に、思わず変な声を上げてしまった。





し…し、処女っ!?





琉希くんの口からそんな言葉が出てくるなんて。





「あれ?違った?」





ポカンとしている私の顔を琉希くんは覗き込んでくる。





『ま、まぁ…そうですけど…』





こういうこと、サラッと聞いてくるなんて。



私は赤くなる頬を見られたくなくて、俯いたまま答えた。