私が愛したのは最低な人間でした


放課後。





部活に所属していない私は、帰りのHRが終わると、帰宅するために教室を出て下駄箱へと向かった。



仁香や他の友達はみんな部活に入ってるから、基本的に帰りはいつも一人なんだ。





二年A組の教室の前には他クラスの生徒達が集まっていて、そこを通り抜けるのに少しばかり苦労した。





みんな、琉希くん目当てなのかな?





A組前の廊下を占領している一同を振り返り、歩きやすくなった廊下を歩んでいく。





琉希くんはイケメンだもん。


みんな興味あるんだろうね。





仲良くしたいって思ってる人もたくさんいるはず。





私もちょっと琉希くんのことが気になるけど…。





もちろん、それは女の子達が琉希くんに抱いているような好意的な感情ではなく。



彼と私の関係を知りたいからという理由から来るもの。



やっぱり、過去のことは忘れてくれていいなんて言われても、琉希くんとどこで出会ったのかとか。



私達はどの程度仲が良かったのかなんて、考えれば考えるほど気になってきてしまうわけで。





まぁ…でも。



さすがに琉希くんに群がる暑苦しい集団の輪の中に加わる気になんてならないけど。