私が愛したのは最低な人間でした


パチッと二重瞼の黒い目。



透き通ったキメの細かい白い肌。



ぷっくりと膨れた赤い唇。





嘘……。





凜だ……。


凜だ……っ!





目の前にいるのは、紛れもなく俺が探していた人だった。





『っ…!?まじかよ……っ!!』





あの頃とは違って化粧をしてて、めっちゃ可愛くなってて…。





ずっと、ずっと想い続けていた人が目の前にいる。





そう実感できた瞬間──。





俺の中で何かがプツリと切れる音がした。





『凜、だよな!?うわっ、久しぶり!!会いたかったぁぁあああーーっ!!』





俺は、全力で彼女に抱き付いていた。





やっと…やっと会えた。





嬉しさのあまり、勢いで飛びついてしまった。



でも、周りの視線とか、ざわつくクラスメート達のことは全然気にならなかった。



むしろ、抱き締めてしまったことによって高鳴る鼓動を押さえ込むのに必死で、自分の頬が熱くなるのを、ただ感じていた。