夜の京都をちゃんと回るのは初めてだなあ、なんて思いながら綾の後ろについて行く。


〈……ろ……ひ……〉



……あれ?


「綾ー今なんか言った?」


「え?いや、何もいってないけど?」


「そ、っか……」


今、誰かに名前を呼ばれた気がする……
気のせい…かな。


怪訝そうな顔で綾にみらたけど、曖昧に笑って返すとまた前を向いて歩きだした。


ーーーーー……


「ついた!うあーなんか、凄いね」


「ほ、ほんとだ!古い、けど凄い歴史を感じるね」


あーやばいなあ、歴女の血が…笑


「カシャ」と1枚写真をとり、中に入ると既にメンバーが揃っていた。


「あ、繭〜遅れてごめんね!」


「やったきた!笑」


「紘の部活が長引いちゃってさ〜
あ、この子が紘ね!紘、こちらは繭!」


目の前にはかなりの美人さん、なんでこれで彼氏が出来ないのかナゾ……。


「あ、初めまして!綾の中学の同級生だったんだ!宜しくね!」


にこ、とキラキラのスマイルをいただいた。

……これ男性たち鼻血吹いて倒れそう…。


「初めまして、櫻井紘です。宜しくね」