紗柚奈ちゃんの病室に近づくにつれて、体が震える。

それに気づいた煌が、握る手に力を込めて


「大丈夫だから。沙亜羅。紗柚奈は、お前に会いたいと思ってるよ。」


前を向きながら、声をかけながら歩いてくれる。
それに、「うん。」と、答えるも不安で仕方がない。

あー、大我に抱きしめてもらえば良かったなぁ…。

後悔しながら歩く。
紗柚奈ちゃんの病室は、特別室だから少し遠い。

歩いて、だいたい10分かかったか、かからなかったくらいで着いた。

ゆっくり深呼吸をくりかえして、ゆっくり、ドアを開けた。