「沙亜羅には、俺から聞いたって事言うなよ?
自分から、言いたいだろうからな。」


それに頷いて、煌祐の話を聞いた。


「……ー。これで、全部だ。」

拳を握り締める。
沙亜羅の過去は、1人じゃ重く、辛い過去だった。
病気も……。

沙亜羅は、一体どれだけの幸せを奪われたのだろう。

なぁ…。
俺は、神とか、んなの今まで信じた事はねーけど…。

もし、もし居んなら、これ以上沙亜羅から幸せを奪わないでくれ。

俺から、……俺らから、沙亜羅を奪わないでくれ。
俺らに、生きる意味を教えてくれた、沙亜羅を。

愛しくて仕方がない、沙亜羅を、奪わないでくれ。

神様…。頼むから…。奪わないで……。