それぞれ返事をして散って行くなか、架瑞は動けずに居た。

当たり前だ。
大切な、全力で守るって誓った奴に守られて、怪我させちまったんだから。


「架瑞。大丈夫だ。俺らの、沙亜羅はんなヤワじゃねー。」

声をかけたら、バツの悪そうな顔をして
小さな声で「わりぃ。」と、呟いた架瑞。


「くよくよする奴は雨龍には、要らねーよ?」


軽く笑うと、架瑞も軽く笑って、「そうだな。」って言って、救護に向かった。

架瑞の気持ちは、良く分かる。痛い程に。
遠くから救急車の、サイレンが聞こえて来た。


「大我!お前も乗れ!」


煌祐に言われ、走って沙亜羅に近づいた。
救急車で、病院に搬送された沙亜羅は、痛々しかった。