「…フッ。…弱いな。」


「うるさい。」


蓮祐の頭を軽く叩く。
雪が降っているから、少し寒い。

2人で、お互い無言で雪を見る。


「…………。」


「…………。」


沈黙を破ったのは、蓮祐だった。


「…なぁ、沙亜羅。」


「ん?何?」


「…もし俺が、恋愛感情で…お前が好きだって…言ったら…どうする?」


唐突な質問に目を見開く。冗談だ
と思って、雪から蓮祐に目線を動かすと、その目は真剣だった。


「…ごめん。私は大我が好き。けど仲間として、蓮祐も好き。

どっちか選べなんて言わないでね。選ぶなんて無理だから。」