「大我のバァカ…。」


中庭に出て独り呟いた。

あぁ、もうっ!

なんで私ってこんなん何だろう…

可愛くない女…。


「…沙亜羅?…どうした?」

聞き慣れた声が後ろから掛けられた。

振り向かなくても分かる。
蓮祐だ。


クルッと振り向いて


「何でもないよ!大丈夫!」

笑って言うと、苦しそうに笑う蓮祐が目に入る。


「…無理して笑うな。…見てるこっちが…大丈夫じゃない。」


抱き締められる。
その体温が温かくて、泣いてしまった。