夕方。

ガヤガヤとうるさい音で、目が覚めた。


「んっ。何?」


「沙亜羅!!」


抱きついて来たのは、煌だった。

スーツ姿で、うっすら汗をかいている煌を見て

急いで来てくれたんだと分かった

自然と頬が綻ぶ。


「お帰りなさい。」


「あー。マジ心配したんだからな!

架瑞からいきなり

『沙亜羅知らねーか?!』

って焦った声で電話が来て。」


架瑞…。
架瑞を見ると、少し照れていた。


「ありがとう。ごめんね?」

「いや。沙亜羅が無事なら良いんだよ。」


架瑞が微笑んでくれた。