星に願う

「あのさ、俺恋人居んの。
スッゲェ大事でさ…。
沙亜羅はっ?居ねーっの?」


「居ないよ。恋がどんなものかも分からない。」


「楽しいよ。苦しい事も少しは、あるけど。

好きな人の事を考えながら何かしてると、あっという間だよ。」


そうなんだ…。


「いつか、私にも出来るかな?」


「できる………よ。」


澄の体がだんだん冷たくなっていく。

待って神様!
澄を連れて行かないでっ!!

「沙亜羅…なら…きっと…大丈夫……自信持て。」


最後は笑って亡くなった。
救急車が来るまで私はずっと澄を抱きしめていた。