蓮祐side


ただ、沙亜羅の笑う顔を見れれば
それで良かったのに

俺は欲張りになってる気がする。


沙亜羅とテスト勉強していた時の
沙亜羅の横顔が忘れられない。

凄く綺麗だった。


"大我の女"だという事は頭では
分かってる。


「…どうしたら…。」


沙亜羅が舞耶の手を引いて出て行った
教室に俺の声が響く。


「仕方ないんじゃねーの?」

びくりと体が跳ねた。
…架瑞が居た事を忘れてた。


「大我と同じ人を好きになったのは。
人間だしさ。
親友とか、大事な人の恋人や想い人に
恋しちまうのはさ。

仕方ない。って思った方が楽になる。」


肩を叩かれ

そうだ。

と思った。同じ人を好きになったのはもう、仕方がない。


……それなら俺は、沙亜羅が笑って
過ごせるように、陰ながら想って居よう。