……死にたかったから。
そう答えるのに躊躇った。例え私が死のうと、あの人らは悲しまない。余計な金が掛かると思うだけだろう。
だって、私は本当の子供じゃないから……。
舞邪に借りたスエットの、ポケットを触る。
意を決してそれを、大我さんの前に出した。


「パパとママの形見です。」

手を出した大我さんに、それを渡す。
パパとママの形見は、私の名前が入った2人の結婚指輪。


「パパとママは、私が5歳の時に亡くなりました。それで、私を引き取ったのがママの弟のおじです。」


あの悪魔。