ただ歩いて向かった先は、海。
理由は、特に何もない。
ただ、海に来たかっただけ。
海を眺めていたら、ふと、本当にふと思った。

"このまま海に入れば死ねるんじゃ…"

頭は考え直せと言うけれど、体は限界だったらしい。
海に向かって足が進む。
腰位まで海に入ったかと思ったら、後ろに引っ張られた。

っつ?!

ビックリして、引っ張っている人を見た。
分かるのは、髪が金髪って事だけ。

海から出るとようやく見えたその顔に、私は息を飲んだ。