｢雨龍はね､もう４つの地域を占めてるの｡M地にT地､U地そしてここ､S地もね｡雷毅は…｣


舞邪さんの声を遮って私は言う｡


｢煌がそこの総長…ですよね｡｣


兄､煌祐が暴走族なのは知ってた｡
唯一家族と言えるのは､煌だけだったから｡


｢そうよ｡箕ノ口とは対立してないし､沙亜羅がここに居ても何も問題はないよ｡だから､そんな顔しない！｣

対立してないの一言で落ち着く｡
もしも､対立していたら私は敵のチームに捕まった事になるから｡
煌に迷惑をかけるのは､なんとしてでも､してはいけない｡