とりあえずトイレをすませたユキは、タイヨウに事のいきさつを聞いた。

「……てか、キャバほっといて大丈夫?」

「イモ子がついてるから、多分、大丈夫」


ニートが階段を上がり、キャバの部屋の前に行くと、ドアが少し開いていた。

キャバの泣く声が聞こえる。

中を少し覗くと、イモ子がベッドにうずくまって泣いているキャバを介抱していた。

その光景に、ニートは安心感とともに、自分に対しての苛立ちを覚えた。


(キャバがイモ子に心を開いているのは……イモ子がちゃんと自分を持っているからだ)

(俺は……俺は)

「…どうした?」

声に振り返ると、そこにはクモが立っていた。

寝起きなのか、少し寝癖がついている。

「…………………」

ニートは無視して自分の部屋に戻ろうとしたが、すぐに思いとどまった。

「クモ………」

「あん?」

「大切な人から好かれるには……どうしたらいい?」

ニートはクモを真っ直ぐに見つめた。

「……んなの、俺がが聞きたい」

「でも、クモは…ユキと」

「全然。怒らせてばっかだし」


「まあ、あえて言うなら自分がダメなとこ直す」