太陽の家

「うん……バイトで」

「その帰りに、私の運転で、マミ家まで送って……その帰りに……」

キャバは言葉につまった。

「帰りに?何があったんだよ」

「……他の車と衝突して……その車の人、死んじゃって……」


「慰謝料……払ってるの……」

「どれくらい…?」

浩孝は恐る恐る訪ねた。

「……億」

「…………………」

「わかったでしょ?帰って……」

浩孝は、何も言わずに家から出て行った。

「待って!」

イモ子は、浩孝を追いかけた。

「キャバのこと、あきらめるの?」

「……あきらめるも何も、向こうが帰れって言ってるんだから、その通りにするだけ」

「でも、つきあってる人のことなんだから……」

「何か、勘違いしてるみたいだけど、つきあってるっていっても、昔の話だよ。それに、俺いま好きな子いるし」

「え……じゃあ、何で……ここにきたの?興信所使ってまで」

てっきり浩孝はキャバが未だに好きで追いかけてきたのかと思っていた。

「いや、やっぱさ、過去はちゃんと清算しておきたいじゃん。次の彼女のためにもさ」


「……………」

イモ子は浩孝を睨みつけた。