太陽の家

浩孝はすがるような目で3人を見つめた。

「美紀に何があったんですか?知ってるなら…教えてください」

コンコン……

「キャバ、教えていい?」

タイヨウはトイレを軽くノックして、キャバに呼びかけた。

「…………………」

「返事がないなら、OKってことで」

「待って!」

キャバは思わず制止した。

「…美紀ちゃん、この人、お前のためにこんなところまで来てんだよ??ちゃんと、キャバの口から説明しないと……」

「……キャバ?」

浩孝は聞きなれない呼び名に不思議な顔をした。

「……美紀、今なんの仕事してるの?」

「……デリヘル」

中からぼそっとキャバの返事が聞こえた。

「……デリ……?」

キャバの声が小さかったので、浩孝はあまりちゃんと聞き取れなかった。

「出張サービス。呼ばれたら、客のとこまで行って、セックスするの」

「……なんで、そんな仕事……」

「お金がいるの!借金あるんだから」

「借金?なんの?」

他の三人は二人の様子を傍観しているしかなかった。

「……前に、浩孝と私とマミとヒロコと、カズとショウとヨシで飲んだとき……浩孝、先に帰ったじゃん?」