太陽の家

「タイヨウ、イモ子」

リビングのドアを開けたガムに、声をかけられた。

「ガム……」

「この間は、取り乱してごめんね?」

「……いや、別に」

「…突然で悪いんだけど、私たち、明日でここを出ることにしたので、よろしくね」

笑顔でサラリと爆弾発言された。

「…え!?」

「今までお世話になりました。私は、今夜彼氏の家に泊まるから、今日が最後で……」

「ちょっと待って!ニートも?」

イモ子はガムの挨拶を遮った。

「もちろん」

ガムは微笑みながら言ったが、その笑顔はどこか怖かった。

「…ニートは賛成してるの?」

「ええ。ユキとクモとキャバにもよろしく言っておいて」

「…………………」

「じゃあ、さよなら」

そして、笑顔のままタイヨウの家を出て行ってしまった。


「………………!」

イモ子は走ってニートの部屋に向かい、ノックもせずにドアを開けた。

「ニート!」

ドアを開けると、ニートは目に涙を溜めながら部屋の片付けをしていた。

「……出てくの?」