太陽の家

朝。

「~~~~ッ!」

隣から誰かの叫ぶ声が聞こえて、イモ子は目を覚ました。

寝起きで、フラついた体でドアを開けると、タイヨウの姿があった。

「………タイヨウ?」

タイヨウはユキの部屋のドアを叩いていた。

「あ、イモ子。おはよ」


「ユキ、いるだろ?起きて」

中からユキが眠そうな顔をだした。

「…何だよ」

「クモから、うちの電話に留守電が…………」

「…………?」

タイヨウがリビングにある電話の留守再生ボタンを押すと、ピーと音がした。

『クモだ。急で悪いけど、タイヨウの家を出ることにした。俺の荷物は、後で取りに来るように、業者に頼んだんで、よろしく』

それは、確かにクモの声だった。

「朝起きて留守電聞いたら、このメッセージが入ってた。俺、ケータイないからさ」

タイヨウはチラッとユキを見た。

「…どうする?ユキ

「……………」

「このままほっておいたら…クモ、死ぬんじゃない?」

「…タイヨウ」

ユキはタイヨウを見つめた。

「ん?」

「…俺たち、変われないかな?」