太陽の家

そこにうつっているのは、幼い少女。

「クモには…妹さんがいるの?」

「もう、死んだけど。交通事故で」

「!!」

「あいつは…自分の妹の焦がれた俺でいてほしいんだよ。だから、あんなに執着する。それだけだ。俺自身が好きな訳でも、何でもない」

……しかし、逃げようと思えば、逃げれたはずだ。

「……それでも一緒にいるって事は…ユキは相当好きなんだね」

「…………。あんな理由でも…俺は一緒にいるだけでよかったけど、クモは俺が他の奴と仲良くするだけで怒る………そんなところがずっと窮屈だった。元々、束縛とかされるのは嫌いだし」


「もう、終わり。ずっと我慢してたけど、限界」


そのままユキは立ち上がり、部屋を出て行った。

「今日の晩御飯はいらないから」

「…………………」

二人は引き止めなかった。


夕食。

「あれ?クモとユキは?」

ガムは辺りをきょろきょろ見渡した。

「あー……今日はどこかで食べてくるって」

タイヨウは、普通に笑顔で答えた。

「そう………」


イモ子は食事中、一言も話さなかった。

部屋に戻ると、すぐにベッドに倒れこんだ。

もうさっさと寝て、全て忘れたかった。