太陽の家

「どうした?」

顔を上げると、ユキが不思議そうな顔でこちらを見ていた。

片手にはコンビ二袋がぶら下がっていた。

その後ろには、タイヨウもいる。

ユキが足元に目をやると、バラバラになった紙切れがたくさん落ちていた。

1枚拾ってみると、それは、イモ子のスケッチのようだった。

「自分で、やった?」

タイヨウに聞かれて、イモ子は首を横にふった。

「誰に、された?」

イモ子は答えない。

…………答えれない。

「クモ………?」

イモ子はうなづかなかったが、否定もしなかった。

それだけで、充分だった。

頭に血の上ったユキは勢いよく階段を上がっていった。

「…………イモ子、大丈夫?」

タイヨウはユキより、弱っているイモ子を気遣ってくれた。

「……リビング、行こうか」

「でも……ユキ…」

「たぶん俺らが行っても、火に油だから。目、腫れてるから冷やした方がいい」

ユキが向かった先は、もちろんクモの部屋だ。

「おい!」

勢いよくドアを開けると、電気もつけずに、ベッドの上で寝転んでいるクモの姿があった。

「……何だよ」

「何だじゃない。イモ子を泣かしたの、お前だろ?」