「ヌードなんだ……」

「うん、ごめん。あ、う、上だけでいい」

上着をぬいでズボンのベルトにも手をかけたユキを、イモ子はあわてて止めた。

「ごめん、ガリで」

「ううん、思っていたよりもたくましい」

「あー、やっぱガリだと思ってたんだ」

「いや!別に……そんなこと…あるけど」

イモ子は嘘が苦手だった。

「まぁいいや(笑)なんか、ポーズとかとる?」

「いや、その辺にテキトーに立っててくれば大丈夫」

そう言って、少し恥ずかしながらもスケッチブックに鉛筆を滑らせた。

「…俺でよかった?男だったら他にも、タイヨウとかクモとかいるけど」

「そうだけど……クモは話したことないし、タイヨウは話せるけど、タイヨウよりはユキのが描きたいかなって」

美しいのが好きなのは、美大生のサガなのか。

タイヨウは確かに人好きする顔だけど、イモ子としては、美形のユキを書きたかった。

「え?何それ、告白?」

「ちがうちがう!ただ、肌とか白くてキレイだし…」

イモ子は真っ赤になって否定した。