……と言っても、この辺りは住宅街で、時間をつぶせそうな場所はなかった。
仕方なく駅まで戻り、駅の近くの小さい漫画喫茶で子供の頃に好きだった漫画を読んで過ごした。
(………そろそろ、いいかな)
夕方になり、イモ子は再びアパートへ向かった。
昼に歩いた時は長く感じた距離も、少し慣れたせいか、あまり長く感じなかった。
「………………」
201号室の前に立ち、深呼吸した。
(……なんか、緊張してきた)
「よしっ」
「……何か用ですか」
後ろから声をかけられ、チャイムを押す指が止まった。
「………………」
イモ子が振り返ると、そこには自分より少し年上の青年が立っていた。
「そこ、俺の家ですけど」
青年は涼しい顔立ちをして、冷静に聞いてきた。
「………………!」
イモ子は、固まった。
「?」
「あ……あの」
「はい」
「あなたが……"和久雨"さんですか?」
イモ子は、昨日の宮子との会話を思い出した。
『……引っ越ししたとは聞いてないから、今言ったこの住所で間違いないと思う』
『ありがとうございます!!』
イモ子は住所のメモを大事に握りしめた。
仕方なく駅まで戻り、駅の近くの小さい漫画喫茶で子供の頃に好きだった漫画を読んで過ごした。
(………そろそろ、いいかな)
夕方になり、イモ子は再びアパートへ向かった。
昼に歩いた時は長く感じた距離も、少し慣れたせいか、あまり長く感じなかった。
「………………」
201号室の前に立ち、深呼吸した。
(……なんか、緊張してきた)
「よしっ」
「……何か用ですか」
後ろから声をかけられ、チャイムを押す指が止まった。
「………………」
イモ子が振り返ると、そこには自分より少し年上の青年が立っていた。
「そこ、俺の家ですけど」
青年は涼しい顔立ちをして、冷静に聞いてきた。
「………………!」
イモ子は、固まった。
「?」
「あ……あの」
「はい」
「あなたが……"和久雨"さんですか?」
イモ子は、昨日の宮子との会話を思い出した。
『……引っ越ししたとは聞いてないから、今言ったこの住所で間違いないと思う』
『ありがとうございます!!』
イモ子は住所のメモを大事に握りしめた。


