太陽の家

「でも、イモ子もだろ?学際の準備………」

「ああ……うん」

確かに、個人の作品のみなら何とか時間をやりくりできそうだが、グループ作品もあるのだ。

いくら同居人が入院していても、毎日お見舞いは無理だろう。

他のメンバーも、バイト休んだり、もう辞めてしまった子もいる。

「じゃあ、基本的に私とユキとクモでローテーションする?」

「うん」

一番、時間の融通がきくのはこのフリーター三人だった。

「私も、時間ができたら参加するから」

「俺も。休みの日とか」

「ありがとう、ニート…イモ子」


ピンポーン……

「お、きたきた」

チャイムの音に、ユキが嬉しそうに席を立った。

今日の夕飯はデリバリーのピザだ。

「おいしそ~」

テーブルの真ん中に広げられたピザからはおいしそうなにおいがした。

「ピザとか、久しぶりだな」

「ここ来てから夕飯はほとんどタイヨウの手料理だったからね」

「ああ・・・うん」

イモ子がユキに笑いかけると、ユキはまた、微妙な笑いを浮かべた。

「ユ……」

「俺、皿とってくる」

イモ子と目を合わさず、ユキはそのまま席を立って、用意を始めた。