太陽の家

「…思うんだよ。俺と冬美が兄弟じゃなかったら…とか、あの二人が先に逝って、二人きりにさせられなかったら、こんな感情は生まれなかったんじゃないかな…とか」

「………………」

「そう思えば思うほど…俺たちを残して逝ったあいつらに腹が立って」

今日だけで大分感情の起伏が激しい事がわかったタイヨウの性格だが、タイヨウ自身も疲れていた。

「俺、死にたくない……死にたくない」

ユキは、タイヨウを抱きしめた。

「大丈夫だよ……みんな、いるから」

「………………」

「ここに、いるから……」


「タイヨウに一人の時間ができないように、当番表作ろうか」

タイヨウのいないタイヨウの家の夕飯の席で、最初にそう提案したのはユキだ。

「賛成の人」

今日のタイヨウの様子を見て、その場にいた全員が手を上げた。

「でも、面会って何時までだっけ?」

「7時」

「そっか……それだと、俺は厳しいかな」

「ニートは仕方ないよ、仕事だし」

少し落ちた様子のニートを、イモ子が励ました。