私、熊沼紗和子(くまぬろさわこ)は恋をしています

でも、彼は私が彼を好きなことに気づいていない

だから、気づいてもらえるように挨拶するんだ!
「千葉くん、おはよう!」
「おっ…おはよう」


毎朝のこの挨拶だけで、私は幸せになる
でも、
「おはよ、大ちゃん」
「おはよう」

いつも千葉くんと一緒にいるうざい女
立花せりな。こいつがでてくるだけで、私の幸せになる1日の始まりが、ドン底の下に突き落とされる。
「ちょっと、せりな。私の千葉くんに挨拶しないでよ。あと、大ちゃんっていうのもやめてよ」
「えっ⁇なんで、そんなことあんたに言われないといけないわけ⁇大ちゃんっていうのは口癖なの。幼馴染みだから、仕方ないじゃん」
「私は、やきもちやきなの‼︎せりなみたいな子が千葉くんといたら、千葉くんが汚れちゃう」
「あっそ、別にいいし。大ちゃん好きぢゃないし」
私とせりなはとても仲が悪い。会ったらすぐ喧嘩。でも。何気ストレス発散にもなるんだよね。
「おーい、せりなすっげーうるさいぞ。トイレまで聞こえてるし、周りがみんな見てる。何があったん…、げっ、熊沼ぢやん‼︎」
「何よチャラ男」
はぃ、でたー。こいつは元ヤンキーの佐藤涼介。せりなの彼氏。こいつもすごい、うざいやつ。千葉くんとは比べものにならないくらい、ブサイク。
「いつまでもしゃべっているな、恥ずかしいとは思わないのか?」
「あ、そーだよね。涼ちゃんいこ!」
「あ、千葉くんまって」
こうして、私の1日が始まる。