魔界姫志ーまかいきしー



今にも泣き出しそうな声で私はロイに手を伸ばす。

ロイの手を掴んで逃げればいい。
追い付かれるなら、それでも逃げればいい。

逃げて逃げてシキ達を探せばいい。

「…ッ、大丈夫さ。
奴らの狙いはユイちゃん、君だ。
だから早く逃げてシキと合流するんだ!!」

肩を押さえながら呟くロイだったけど、指の隙間からポタポタと血が流れる。

それでも尚、ミルを睨み続ける。
ああ、この子は本気だ、って。

本気で私だけを逃がそうとしてるんだって嫌でも分かった。