右を行けば近道になるけれど不気味な者たちが彷徨いている。
左を行けば遠回りになるけれど比較的安全に抜けられる。
一瞬だったし、違うかもしれないけど…左を行く方が安全だろう。
クラクラしてきた頭を抑えるために私は こめかみに手をやる。
眉を顰めて小さく何度も息を吐き出しているとユエが近付いてくる。
「…大丈夫かい?」
「う、ん…大丈夫。それより聴いて欲しいことがあって。
この分かれ道は左を行った方が安全よ。
右を行けば不気味な者たちが彷徨いているから…」
ユエに大丈夫と告げて私は皆を見つめて先程見えた光景を話した。
まあ、突っかかってくるとしたらーー
「…その理由は」
シキくんだった。
そんな気はしてたけど…これがルイとかなら直ぐに信じてただろうなあ。
少しショックを受けつつも私は"見えた"事をそのまま伝える。
彼らは驚きもしないでただ静かに私の話に頷いて聞いてくれていた。
「…そうか。なら左を行こう
何があっても離れるなよ。」
「えっ…」
「何だよ。文句あんのか」
「う、ううん、無いよ」
私の話を聞いただけでシキが大人しく左に行こうと口を開いたことに驚いた。

