魔界姫志ーまかいきしー



「…っ!!」

ドクン、と大きく胸が高鳴ったのが分かる。

高鳴る、と言う表現はおかしいけれど、胸がざわざわするような気分。

私は、ここを知っている…?

夢を見た。
確かにこんな風景の夢を昨夜見た。

ここはずっと夜だけど暗黒の森は暗すぎて灯りがないと進めない。

ランプだけで進むのにも限界というモノがあるだろう。

どんな夢だった?
どんな夢を私は見た?






…思い出せない。
…思い出したくない…?


とても大事なことなのに、この風景は夢で見た時と同じだ。

恐らく今、私達は暗黒の森の中心部に居るに違いない。