魔界姫志ーまかいきしー



最後に名前を呼んでやっと返事をしてくれたシキく…シキ。

「聞こえてるなら返事ぐらいしてくれても良いじゃん…」

そうだよ。
無言だったからてっきり嫌なのかと思って…「うん」とか「はい」とか言ってくれれば

あんなに連呼しなくても良かったのにな私…。

「用件が無かっただろ。
ただ名前を呼ぶだけの行為に俺が返事をする必要は無い。」

「……」

そんな酷い事言わないでよ…。
私が頑張って呼んだのが無駄みたいな。

そんな言い方しないでよ、ばか。

「シキのばか!!あほ!!はげ!!」

思い付く暴言を ありったけシキに向かって叫ぶ。

こんな事で泣くもんか。
瞳に薄らと溜まる涙を袖で拭ってシキを見つめる。

「なっ…!!
誰がハゲだって!?」

「ぷっ…はは!!」