(…けて…) 「えっ…?」 強風の中、その声は確かに私に…ううん。 私の心の中に聞こえてくる。 でも、なんて言ってるのか分かんないよ…。 (助けて…キミが僕たちを救ってくれると信じてる…) その声が聞こえた瞬間、目の前が真っ白になった。 「……っ、!!」 声にならない声をあげて、私の意識はそこで途切れた。 意識が途切れる前に、人の影が見えたような気がした。