と、そんな時。
ーーガサガサッ
「ひぃ…ッ、」
草が揺れる音に私はとても間抜けな声を漏らした。
その音と私の声に、前を歩いていたシキくんとルイさんが直ちに
私とミルちゃんを間に挟むようにして横に立った。
「誰だ」
…初めて出会った時のようにシキくんはとても冷たい声で短く告げた。
「……」
シキくんの問い掛けに草の中から現れたのは…
「か、可愛い…!!」
そう、とても可愛らしいピンク色のウサギだった。
子供なのか、まだ小さくて薄いピンク色をして瞳は真っ赤なルビーのような…まるでシキくんみたいな瞳をしていた。
そのウサギを見たミルちゃんはルイさんの間を器用に退けウサギに近づこうとする。
「っ、おい!!」
シキくんが慌てたような声色で呟くのも聞かずに…。

