「お主たち…先程から話を聞いておれば暗黒の森へ行くんじゃな?
じゃが、今宵は辞めておいた方がええぞ。朝は来んが…せめて行くなら明日の方がええじゃろ」
と、年老いたお爺さんが私達の前に立ちはだかり忠告してくる。
朝が来ないのに明日に行けって言うのもおかしな話だけど、何だろうこの感じ。
この人の言う通りにした方が良い。
私の頭が直感的にそう言ってる。
「…そうですね。
一先ず今夜は宿に泊めてもらいましょうか。行くなら体を休めた方が身のためになりますからね」
ルイさんの意見で今夜は出歩かずに大人しく宿に泊めて貰うことになった。
先程のお爺さんはここ、ユルシア村の村長さんらしく私達の宿も貸してくれた。
最近は使っていないから、と言う事でお言葉に甘えて借りる事にしたのだ。
ベッド何てないけど、まあ寝るだけなら問題なさそう。
村長さんは優しくて、快く晩御飯まで頂ける事になった。
お料理も美味しかったし腹ごしらえも完璧。
後は明日になったらここを出発して、いよいよ暗黒の森へ行かなきゃならない。
…怖い、けど皆が居る。
「ユイ姉様!!僕少し村長さんの所へ行ってきます」
ミルちゃんが私に耳打ちして宿を出る。
もう寝ないといけないのにミルちゃんったら…元気なんだから。

