「いつまでも変な顔するな、置いてくぞ亀女」
「ちょ…待ってよ…!!」
私はシキくんの隣を再び歩く。
置いてくぞ、なんて言いながら本当はそんな気が無いのも知ってる。
シキくんは口が悪いけどとても優しい。
ぶっきらぼうだし不器用だけど彼なりの優しさなんだろうなあ…。
「旅に出たら此処には戻ってこないから必要最低限な物だけを常に持ち歩いておけよ」
荷物になるもんね、少なくまとめないと…出来るか不安だけど。
「…分かった」
扉を開けるとルイさんは既に座っていてユエさんは器用に料理を作っていた。
すごい良い匂い…食が進みそう。

