目を閉じたそこには暗闇が訪れているはずなのに淡い光に包まれて、心地いい感覚。

けれど、聞こえてくる声は私が休むことを許してはくれなかった。

一体なんだって言うのよ…私は負けたの。
あの大きな悪魔に負けて白旗を掲げようとしているの。

『 マダ負ケテナイ…私ノ力ヲ貴方ニ託スワ。
想ッテ。願ッテ。祈ッテ。

タダ、ソレダケデイイノ——』

どういう、こと…?

『 貴方ノ想イハ——?
貴方ノ願イハ——?
貴方ノ祈リハ——? 』

私の想いは
今…自分に力があれば皆を護れるのに。
私の願いは
この世界に陽を取り戻すこと。
私の祈りは
これからも皆が幸せで楽しく生きてくれるように。

『 ソレヲ強ク心ニ思イ浮カベテ声ニ出シテ 』

「 ——どうか、私に力を。
少しでいい、諦めない…立ち向かう勇気を。

ちっぽけでも馬鹿にされようと笑われても構わないから
今、せめて…ここにいる仲間を護る勇気と力を! 」

言われるがまま心に思ったことをそのまま口に出して叫んだ。

その声に呼応するように私の身体は、ふわりと宙に浮いて眩しい光に包み込まれた。

その光の中はやっぱり心地よくて、身体も心も綺麗に浄化されている気分。

その内側から三つの光が分散してユエとルイ、それにシキに向かっていく。

その光に包まれているだけで先程の傷がいとも簡単に治っていくのも身に染みて感じる。

それに、背中がなんだか重くて擽ったいような、変な気分。

——皆を護りたい。

この世界を救いたい。

そのために
あの悪魔に勝ってみせる。