「はは〜ん」
楽しそうに呟く男の人はきっとシキくんやルイさん、私よりも歳上だと思う。
名前、聞いてないや…。
「あの、えっと…名前…私はユイです」
「うんうん、知ってるよ。
シキ達に聞かせてもらったからね。
君のことはある程度まで分かったよ。
俺の名前はユエ。好きに呼ぶといい」
ユエ…さんか。
シキくん、ルイさん、ユエさん、ロイ。
今の私が頼れるのはこの四人しかいない。
どうすれば手掛かりが見つかる?
どうすれば記憶が戻ってくる?
どうすればこの世界から出れる?
考えても考えても
出てくる答えは全て、
分からない。

