「隠れ家…ですか?」

「そうそう、俺達は一応追われてる身だからさ。転々としてるんだよね」

悪いことをしたようには見えないけど…少なくとも私には関係ないと思うし早く此処から出て、ロイと手掛かり探さなきゃ…。

「おい、オッサン。あの女起きた…

って、何だよ。起きてたのか」

ノックもせずに入ってきた男の子はやっぱりシキくんで。

私の様子を見に来てくれたのには代わり無さそう。

…あ。
その前に言わなきゃ。

「あ、あの…シキくん…だっけ?

助けてくれてありがとう御座います」

ベッドから身を起こして丁寧に頭を下げてお礼を言う私に二人は驚いたような表情をしていた。

それも束の間、シキくんは後頭部をガシガシと掻きながら「別に…」と小さく呟いて部屋を後にした。