「 そう言えばさ、昨日テレビで見たんだけどパラレルワールドって信じるか? 」

「 パラレルワールド…?それって並行世界みたいな、幾つもの世界がある…みたいなやつだよね? 」

「まあ簡潔に言えばそうなんだが。
この世界とは別の同じ時間(とき)を進んでもう一人の俺たちが居る世界。
今の世界の俺達はこうして話してる訳だが違う世界の俺達は出会ってないかもしれない

そんな世界があるって信じるか? 」

唐突にそんなことを言う瞬希くんが珍しくて、みんなで目を幾度となく瞬かせる。

いや、おかしいとか面白いとかじゃなくてただ純粋にそんな世界のことを語り出す彼に不思議と考え込まされている事も、分からない。

「 —— あったら良いなあと思うよ私は 」

「 そうですね、きっとそういう世界もあるでしょう。私達が知らないだけで。 」

「 ロマンのある話だねえ… 」

それぞれに思う事を口にすれば彼は納得したようにフッと小さな笑みを浮かばせて「 そうか 」とだけ呟いた。

その真意が何なのかさっぱり分からないけど
どうやらこの答えは間違ってないらしい。