「ちょっと瞬希くん…また授業サボってるの?」

いつもいつも昼の授業をサボっているのは一つ学年が上の彼、皇瞬希くん。
もう少ししたらきっと、いつもの彼も一緒に来るはずだ。

「そう言うお前もまた遅刻かよ。
早く寝ないから朝に起きれないんだろ」

う…一言も遅刻の理由を話した事ないのに、ことごとく当てて来る瞬希くんはやっぱり凄いと思う。
エスパーみたいで隠し事ができなさそうだけどね…。

「うるさい!!
私だって忙しいの。貴方みたいに暇人じゃないんだからね!」

「また喧嘩ですか、二人とも…」

「こいつが」「瞬希くんが」
「「喧嘩売って来るから」」

呆れたような声で私たちの仲を割って入って来るのは榊琉衣くんだ。
こうして私たちが言い争っていると毎回止めてくれたりもする。

「はいはい、声がハモる程、喧嘩する程仲が良いのは分かりましたから。」

そうして私と彼の声が重なるのも少なくない。