「ほう…秀才メガネ…名をルイだったか。
その通りだ、奴を出すとき。それはお前たち騎士が敗北し尚且つ、ユイが絶望し己を制御できなくなったときだ。」

いやよ、いや。

勝手に私の存在を決めないで。
勝手に私の絶望を決めないで。
勝手に私の身体で語らないで。


「……シキ、お前の気持ちはユイを通じておおよそは把握もしている。だが——」

返して、返してよ!!

暗闇の中、手足をもがいて伸ばした腕の先に見えたのは私の遠いの記憶そのものだった。

懐かしいような、もう随分前の記憶になってしまった中学の頃の記憶だ。

—— ああ、あの頃の私は、恋に関して臆病でそれでいてとても純粋に大切なあなたを想っていた。